スモーカー試作機でフランクフルト作り

店長のソーセージ作り

市販化予定のスモーカーの試作機で豚腸を使い乾燥燻煙をおこなうフランクフルトソーセージを作ってみました。

豚腸とフードプロセッサーの準備

今回使う豚腸は2020年8月から新たに販売する「豚腸2m プラスチックガイド付き32-34mm」です。豚腸の中では細めで業務用でも人気があるサイズです。それを使ってみました↓

エマルジョンはクイジナートの業務用を使います。夏なのでステンレスのワークボウルを冷蔵庫に入れて冷やしておきます。↓

フランクフルトの生地作り

エマルジョンの作り始めです。氷を砕いたあと肉を入れて練った直後です。温度は0.7℃です。温度低くていいですね。フープロのワークボウルを冷蔵庫に入れておいて良かったです。

エマルジョン生地と細めに挽いた挽肉を混ぜ合わせて粗挽きソーセージのような食感を出すようにします。細挽きなので粗挽きではありませんね。

さらに玉ねぎのみじん切りも混ぜて行きます。玉ねぎを入れると一気にフランフルトって感じになります。みじん切り玉ねぎの間に空気が入らないようにたまにスパチュラで押さえるようにしながら混ぜます。

豚腸に詰める

塩抜きした豚腸を口金にたくし上げておきます。この作業は生地作りをする前におこなっておき、口金ごと水につけておくと良いです。

詰めていきます。

けっこう空気が入ってしまいましたが、まあまあですね。

ねじっていきます。これから棒にかけてスモーカーに入れるので、リンキング(鎖状)はおこないません。

ねじり終わったあとの温度を測ってみました。温度計を腸と腸の間に挟んで計測しますと13.4℃です。あ~ちょっと温度高いですね。大丈夫かな~。心配です。

できるだけ早く乾燥させます。素早く棒にかけました。↓

乾燥と燻煙

市販化にむけた試作機です。変更する部分は決定しました。温度調節装置とヒーター出力とスモーカーのサイズです。あと細かい部分も少し変更し使いやすくします。

皮がパリッとする乾燥機能付きスモーカーの試作機

乾燥の温度を55℃に設定しておきました。

ねじって棒がけしたフランクフルトを乾燥させます。乾燥工程は55℃で30分おこなうのですが、今回プロがおこなう熟成という工程をプラスしてみることにしました。

熟成は乾燥させないでソーセージの温度をゆっくりあげていく工程のようです。我々のような少量製造でさらに無添加でおこなう場合、熟成をやった方がいいのかやらない方がいいのかを知るために実験も兼ねています。↓熟成中

55℃で30分熟成(乾燥させない)をおこなった後、空気口を開けてファンを強く回して55℃の状態のまま30分乾燥をおこないました。

乾燥が終わりましたら煙をかけます。サクラのスモークウッドを5cm位に折り、火をつけて煙を出しておきます。すぐには煙がでないので、スモークをする5分くらい前から準備をしておくと良いです。

煙かけ中です。↓ちょっとしわがでていますね。でもこの位のしわは大丈夫です。

燻煙は温度を60℃に上げておこないます。もう乾燥させる必要はないので空気口はほとんど閉じておきます。全部閉じてしまうと酸素がなくなりスモークウッドが消えるので、少し開けておきます。

乾燥と燻煙が終了したら取り出します。スモーク弱めなので色は薄いです。↓

アップの写真です。大丈夫かな~。

ボイルをして試食

ボイルは70~75℃で40分おこないました。ウインナーより太いので時間も長くかかります。

ボイルしていると少しずつ脂が浮いてきました。これは結着が少し悪いようです。でもこのくらいの脂でしたら大丈夫かな~。

ボイルを終えて氷水に入れて冷却します。見た感じはいいようですが、触った感じはちょっとふわっとした感じです。

白くなっている部分は、燻煙時にソーセージ同士が触れていて煙がかからなかったところです。

切って断面をみてみましょう。ちょっと空気が多いですね。これはエマルジョン生地を作る時に長くやり過ぎて空気が泡のように入ったのかもしれません。
肉の結着は、少し柔らかいふわっとした感じです。すごくダメというわけではありませんが、いまいちです。

アップにするとこんな感じです。

皮をはいでみます。
しっかりと乾燥はされていて皮のパリッとした感じはOKです。乾燥は完璧。良かった~。
ただ、皮をはいだ生地にも細かい穴がみえますね。フードプロセッサーを回しすぎのようです。もしこうなっても、真空の脱気装置がある方は吸うと、この空気の泡がすくなくなります。このことは当店のお客様の飲食店の方から教えていただきました。実際ソーセージのプロ用の生地作りの機械には真空脱気が付いているものもあります。

これをそのまま食べたら、ちょっとフカっとした感じで、美味しくありませんでした。
とりあえず、焼いてみたところ、玉ねぎのいい香がすごく出てきて、焼かないものとは別物になりました。焼くと美味しいですね。

※↓写真の奥は腸詰めしたときに肉が余ったので棒状にしてボイルしたものを腸詰めしたフランクフルトと一緒に焼いています。

今回のまとめ

  1. 今回新商品の豚腸2m(32-34mm)を使う
  2. 乾燥ができるスモーカーの試作機を使う
  3. 熟成工程をいれてみる

という3つのコトを同時にやる!という盛りだくさんのフランクフルト作りをしました。わかったことは、

1.の新商品の豚腸2m・32-34mmは皮も厚すぎず良い品質の良い豚腸。

2.の乾燥ができるスモーカーの試作機は、今回豚腸という太い腸の乾燥をおこないましたが、問題なく乾燥させることができた。

3.の熟成は不要。

熟成は急激な温度変化にソーセージをならすためという理由ですが、これまでも腸詰めしたすぐ後に乾燥をおこなって問題はありませんでした。

今回熟成という熱がゆっくりかかる行程を入れることで、中後半端な温度に肉が長時間さらされることになり、結着剤を使わない無添加ソーセージには向いていないと思いました。

できれば、同条件で比較をおこなうとよいのですが、とても面倒なのでやらないと思います(^_^;)

無添加レシピでは 熟成は不要で腸詰め後すぐ乾燥・燻煙が良いとします。

以上、フランクフルト作りでした。

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