手作りソーセージがボソボソになる一番の原因=「温度上昇」その対策

ソーセージ作りのコツ

ソーセージを手作りすると必ず経験するボソボソソーセージ。ボイルすると肉が分離してボソボソザラザラな食感のソーセージで美味しくありません。当店のお客様からいただくご質問で一番多いのも「作ったソーセージがボソボソするんだけど。。。」です。ボソボソにならないための対策について書きます。

手作りソーセージがボソボソザラザラする理由

ボソボソになる一番の原因は肉の温度上昇です。練っている時は氷を入れているので肉の温度は低い状態ですが、腸詰めの時に時間がかかってしまい、だんだんと温度が上がってしまい肉が結着(けっちゃく)しないため、ボイルするときに脂が流れ出てしまい、ボソボソやザラザラ、パサパサ、ぐちゃぐちゃ(人により表現が違う)なソーセージになってしまうのです。できるだけ温度が上がらない様にする必要があります。ボイルする直前の温度(腸の中の肉の温度)が15℃以下が理想です。特に初めてソーセージを作る時は、どの作業も初めてなので勝手がわからず長い時間がかかり、その結果、ソーセージの肉が15℃を越えてしまい結着せずボソボソ食感のソーセージになってしまいます。

肉の温度上昇を防ぐ対策

  1. 腸はあらかじめ塩抜きをして口金にたくし上げておく
  2. 腸に肉を詰める時はできるだけ手早くおこなう
  3. 腸詰めに使わない肉(後で使う肉)は冷蔵庫に入れておく
  4. 腸に詰めた状態のソーセージは冷たいボウル(2重ボウル)に入れる
  5. ねじる時も手早くおこなう

1.は肉を練って生地が完成したらすぐに腸詰めできるように、腸と口金(ノズル)は準備をしておくことよいです。

2.のできるだけ手早くですが、時間が経てば経つほど肉は室温に近くなります。手早くおこなって下さい。時間の目安としては、500gの生地(羊腸は2m)を詰める時は3分以内に終わるようにします。ソーセージスタッファーなどの大型の装置は肉をシリンダーにセットした時点から肉の温度はどんどん上がっていきます。ゆっくり詰めているとすぐに時間が経過して肉が温かくなりますのでスタッファーを使う際は複数人で手早く詰めるようにするとよいです。

3.はたくさんの量を作るときの話になります。絞り袋やスタッファーに入りきらない生地をそのまま置いておくとどんどん温かくなっていきます。使っていない生地は冷蔵庫に入れておきましょう。

4.は腸詰めしたあと、肉が入っている状態でそのままにしておくとやはり肉の温度が上がります。3分以内で腸詰めできる場合はそのままでも問題ありませんが、3分以上腸詰めにかかる場合は、詰め終わったソーセージを冷やしておくと良いです。ボウルを2つ重ねて間に氷をいれて、冷たいボウルを用意して、詰め終わった腸を入れておくなど対策を行って下さい。

5.についてですが、ねじっている時も温度は上昇します。さらに、ねじっている時は手でしっかり握ることが多いので手の熱で肉が温かくなってしまいます。500gの生地を詰めた腸(羊腸2m)をねじるのに1分以内でできるのが理想です。ねじった後に空気抜きをおこないますが、このときも手で触りながらおこなうので手早くおこなって下さい。空気抜きも1分以内が目安です。

腸詰め+ねじり+空気抜きにかかる時間は5分以内

腸詰め3分、ねじり1分、空気抜き1分の合計5分でおこなえるようになるには2~3回ソーセージを作ってみてください。2~3回ソーセージ作りを行うと慣れますので5分以内で行えるようになります。腸詰めから空気抜きまで5分を目標に行ってみて下さい。

5分で作れてもボソボソソーセージになるなら原因は別に

もし、腸詰め、ねじり、空気抜きが5分でできたのにボソボソになってしまうようでしたら、原因は別にあります。

そのほかの原因

  • 鮮度の悪い肉を使っている
  • 肉を練るときに氷を入れていない
  • 結着を阻害する材料を入れている
  • 乾燥やスモークを行っている

鮮度の悪い肉を使うとまったく結着しなく、どんなに上手に作ってもボソボソになります。挽肉でドリップが出ている状態の肉はダメです。肉を結着させる成分がドリップに含まれています。それが流れている状態の肉は結着しません。スーパーで解凍挽肉が安く売っていますが、かなりの確率でボソボソソーセージになります。できましたら、精肉店(普通精肉店では冷凍の挽肉は売っていない)の挽肉を購入するか、かたまり肉を挽いてもらうといいですね。ミンサーを持っているなら固まり肉を購入し、自分で挽いて挽き立ての肉でソーセージを作ると、とても結着の良いソーセージになります。(手間がかかりますが)

ソーセージの生地作りに問題がある場合として氷を入れていないになります。ソーセージ生地は肉を低温で練って作ります。低温で練ることでタンパク質が結合して結着しますので必ず氷を入れて練って下さい。

結着を阻害する材料があります。私の経験ではレモンなどの酸性の強いものは入れると必ずボソボソになります。酸がタンパク質を凝固させるのだと思います。あとはトウガラシです。チョリソーを作りたくて唐辛子を入れたらみごとにボソボソソーセージなりました。同じ仲間のパプリカも大量に入れるとボソボソします。

腸詰めしたあとすぐにボイルしないでスモークをする場合、肉がじんわりと温かくなるような状態にしてしまうとボソボソします。冷蔵庫などの低温の場所で乾燥やスモークをかけるか、温風で短時間で乾燥(肉は短時間で熱くなる)をさせる必要があります。(スモークソーセージの作り方は別に書いてありますのでここでは書きません)肉が20~40℃の温度にながくいると、結着しないでボソボソになりますので注意して下さい。

以上がボソボソソーセージにならない対策についてになります。ボソボソになったことがある方が「あ~これだ!」と問題の解決になったら嬉しいです。またこれから作ってみようという方は、上記を参考にソーセージ作りをおこなってみて下さい。

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