日本でソーセージというと「シャウエッセン」や「アルトバイエルン」を想像する方が多いのではと思います。
手作りソーセージを作る方も、シャウエッセンやアルトバイエルンのようなソーセージが作りたい!いう方がとても多いです。
私も何度も食べています。
今回、実際にシャウエッセンとアルトバイエルンを買ってみて、手作りソーセージとの違いやどのようなソーセージなのかを改めて確認しました。
味の違い
まず、味の違いを食べ比べて確認することにしました。
しかし、、、私には違いがわかりませんでした(^_^;)
最初は「おっ、違う!」と思ったのですが、両方を食べていくと、だんだんと違いがわからなくなってしまい、最終的にはどちらも同じようになっ違いがわからなくなりました。
そこで、私より味に敏感な、うちの奥さんにどっちがシャウエッセンか、アルトバイエルンかがわからないように、ソーセージAとソーセージBと伝えて両者の違いを比べてもらいました。
「かなり似ているけど、
ソーセージA(シャウエッセン)は味がはっきりしている感じで、
ソーセージB(アルトバイエルン)は粗挽き感が強い感じだよ。」
ということでした。
商品詳細(裏に書かれている内容)の違い
シャウエッセンの記載内容は、「豚肉、豚脂肪、糖類(水あめ、ふどう糖、砂糖)、食塩、香辛料、リン酸塩(Na)、調味料(アミノ酸)、酸化防止剤(ビタミンC)、発色剤(亜硝酸Na)」で127g
アルトバイエルンがこちらで記載内容は「豚肉、豚脂肪、糖類(水あめ、砂糖)、食塩、香辛料/調味料(アミノ酸等)、リン酸塩(Na)、酸化防止剤(ビタミンC)、pH調整剤、発色剤(亜硝酸Na)、(一部に豚肉を含む)」で127gです。
重さはどちらも127gで同じ!
なんか、バチバチのライバルっぽい感じがしますね。
原材料もほとんど同じようですが少し違うところがありました。
シャウエッセン↓
豚肉、豚脂肪、糖類(水あめ、ふどう糖、砂糖)、食塩、香辛料、リン酸塩(Na)、調味料(アミノ酸)、酸化防止剤(ビタミンC)、発色剤(亜硝酸Na)
アルトバイエルン↓
豚肉、豚脂肪、糖類(水あめ、砂糖)、食塩、香辛料/調味料(アミノ酸等)、リン酸塩(Na)、酸化防止剤(ビタミンC)、pH調整剤、発色剤(亜硝酸Na)、(一部に豚肉を含む)
香辛料、リン酸塩、調味料のあたりの記載が少し違いますね。
アルトバイエルンは「香辛料/調味料(アミノ酸等)」となっています。これは原材料表示の新基準で「食品表示法」に基づく表示です。「/(スラッシュ)」の前の部分が食品で、後の部分が添加物に分けるための/(スラッシュ)です。アルトバイエルンは新基準の表示で、シャウエッセンは旧表示です。(2020年3月31日製造分までは旧表示でもOK)
話は元に戻り、リン酸塩と調味料の順番がちがっていますね。シャウエッセンはリン酸塩のほうが調味料より多く、アルトバイエルンは調味料がリン酸塩より多いということになります。
その後に酸化防止剤があり、最後にシャウエッセンは亜硝酸Naで、アルトバイエルンは「pH調整剤、発色剤(亜硝酸Na)」となっています。
使用する肉ですが、価格が安いソーセージは鶏肉などが入るものもありますが、どちらも豚肉と豚脂肪のみでした。
入っている本数
シャウエッセンもアルトバイエルンもどちらも6本でした。
色(スモークの色)
家庭での台所で撮影したので右と左の光のあたり方が違うのですが、アルトバイエルンの方が色が濃かったです。燻煙時間が長いか、色が濃いスモークチップを使っているのかもしれません。
一袋の重量
表示では127gとなっていましたが、実際の重量は
シャウエッセンが130gでアルトバイエルンが128gでした。
こちらがシャウエッセン
こちらがアルトバイエルン
※2gの差はありますが、ソーセージの大きさによってどちらの商品もばらつきがあると思われます。
1本の長さ
さて、ここからは手作りソーセージの道具屋としても気になるところの太さです。
ノギスで計りたいところですが、持っていなかったので、
直尺で計ってみました。
シャウエッセンは短いもので7.5cm、長いものは10cmでした。
アルトバイエルンは短いものが7.5cm長いものは10cmでした。
長さもほぼ同じです。
長さは当初のイメージよりかなり短かったです。手作りソーセージを作るときは、だいたい12cmくらいの長さに作ります。
それよりぜんぜん短いですね。
太さ
ソーセージの太さもも気になるポイントです。
シャウエッセンは細いものは18mm、太いものは20mmくらいでした。
(直尺が汚れていてごめんなさい。拭いても取れませんでした。)
アルトバイエルンは細いのは19mm、太いのは20mmくらいでした。
使っている羊腸のサイズは18~21mmくらいだと思います。。
当店の業務用羊腸では18~20mmと19~21mmが該当します。
断面(切り口)
切ってみました。
左がシャウエッセンで右がアルトバイエルンです。
どちらもエマルジョンと粗挽き肉が混ざっている感じですね。豚脂肪もそのままの状態で残っているのがわかります。アルトバイエルン(右)が粗挽き具合が少し強いようです。
また、アルトバイエルンは黒い粒が数カ所あります。たぶん黒コショウなどのスパイスが粗挽きで入っているのではと思います。
最後に
シャウエッセンとアルトバイエルンを比べてみました。
いきない味の違いがわからないという悲しい報告からスタートしましたが、
実際にシャウエッセンとアルトバイエルンはかなり似ていました。
内容量、原材料、太さ、長さはほぼ同じでした。
スパイスもそれほど違いが感じませんでした。
太さから判断して、羊腸は18~20mmか、19~21mmを使っているとわかりました。
あと、長さに関しては、7.5~10cmと、けっこう短いという発見がありました。
最後に、このブログの趣旨と異なりますが、シャウエッセンとアルトバイエルンのどちらを買うか迷ったら、
しっかりした味が好みならシャウエッセン
粗挽き感が強いのが好みならアルトバイエルン
という選び方をするといいと思います。
※シャウエッセンは日本ハムの登録商標です。
※アルトバイエルンは伊藤ハムの登録商標です。
※アルトバイエルンの原材料記載の間違いがありましたので訂正いたしました。(2023年4月4日)
コメント
シャウエッセンの原材料について調べていてたどり着きました。
詳しく書かれていて参考になりました。
アルトバイエルンの原材料名の表記のところですが、
「pH調整剤(亜硝酸Na)」ではなく、正しくは「pH調整剤、発色剤(亜硝酸Na)」ですね。
商品の画像にもそう書かれております。見落としかと思われます。訂正された方が良いかと思います。
訂正しました。
お知らせいただきありがとうございます。
リン酸塩って肉を膨らませるんでしたっけ?
あと、亜硝酸塩みたいなモンで発色なんてさせずにドドメ色で売っても良いと思うんですけど、ダメなんですかねぇ。
「亜硝酸塩を入れていない為、色鮮やかではありませんが、より美味しく、身体にもより優しくお召し上がり頂けます」って但し書きするだけで売れると思うんですが。
ケーキの生クリームも白を定着させる添加物が入ってますが(それを入れないと黄色味がかるんですって)黄色味がかったケーキこそ、身体に優しく美味しい証です、くらいで売り出せば・・。
これからの未来、添加物はどんどん排除される世の中になりますよ。ビジネスチャンスです笑
シャウエッセンで一杯やってる酔っぱらいの戯言です。
しかしこのシャウエッセンってのは、食ってると歯がキシキシしますな。何と言うか、舌に不快な雑味がのこります。なんかアクの抜けてないほうれん草を食べてる時みたいな感じです。
これは亜硝酸塩の仕業ですかね?
高橋様
コメントありがとうございます。
お返事遅くなりまして申し訳ございません。
キシキシは私も感じます。なになんでしょうかね。
当店でソーセージ作りの道具と材料を取り扱うきっかけが、添加物を使わずにソーセージを作りたいということがスタートでした。
市販のソーセージは、流通や安全性という理由もあり、添加物が入っていると思われますが、家庭で食べる手作りソーセージは添加物を使わなくても良いと思っています。
ただ、添加物を使わずに美味しく作るには、新鮮な肉で低温で練って、低温のまま腸詰めをする必要がありますので、なるべく失敗しないで作れるように情報提供をがんばります。
カワモト